まなざしは通常それを向けられる側の観点から語られることが多いと思われますが、視覚に障害のある人にとっては常に見られる側の視点でしか捉えられないものでもあります。しかし、まなざしを向けられる側の観点は晴眼者にも同様に存在し、「まなざされる」ことへの意識は、外界とのせめぎ合いの中で自己の輪郭をより明瞭にするでしょう。
本展では、絵画、インスタレーション、映像など、さまざまなジャンルの作家5名を招聘し、「まなざし」をテーマとした展示をおこないます。鑑賞者が多様なまなざしと出会い、また、あらたなまなざしを生み出しながら、自己と他者との関係性をあらためて考察する機会となることを願っています。
※ この展覧会は終了しています。
〈メディア掲載情報〉
本展覧会と関連企画の様子が、以下のメディアに取り上げられました。
※ このイベントは終了しました。
出展作家とゲストスピーカーによるギャラリートークをおこないます。
※ このイベントは終了しました。
視覚に障害のある人と一緒に出展作品を言葉で鑑賞するイベントをおこないます。
※ このイベントは終了しました。
会期後の暗い展示空間の中で、作品や日常にまつわる感覚についての話をします。
1982年京都府生まれ、2007年京都市立芸術大学大学院彫刻専攻修了。日々過ごすなかで記憶に残ってくるものや、ふとした気づきをもとに、ものごとの確かさと不確かさを探究するような作品を手がける。近年の展覧会に、個展「永くて遠い、瞬きする間」(FINCH ARTS、京都、2021)、「みえないものをみる」(MA2 Gallery、東京、2020)、個展「そこで、そこでない場所を」(eN arts、京都、2018)、個展「雪は積もるか、消えるか」(アートラボあいち、2018)など。
1974年静岡生まれ、京都在住。京都精華大学大学院美術研究科修了。絵かき・美術家。人間の豊かさをちいさなよりどころに接触して、自身と他者の持つ物語を想像し世界との前向きな関係づくりを模索している。'00年 韓国江原道炭鉱村美術館からダンサーとのコラボレーション開始。2010年〜2015年 大地の芸術祭。2015年〜2019年〜2021年 まつしろ現代美術フェスティバル。2017年〜2021年 おどる落語シリーズ。自己紹介の時「絵かきです」と、はにかみながらいう。妄想と物質をこよなく愛す。
1961年神戸生まれ。1986年京都市立芸術大学院美術研究科絵画専攻修了。日常の中の非日常的な出会いを絵画体験と重ねながら具象絵画の中の抽象性を際立たせることで、存在に対する〈まなざし〉を問う試みを続けている。主な展覧会は 2010年「プライマリー・フィールド:絵画の現在─七つの場との対話」神奈川県立近代美術館葉山館、2018年「モネ─それからの100年」名古屋市美術館・横浜美術館、2015年「ほっこり美術館」横須賀美術館、2019年「みつめる─見ることの不思議と向き合う作家たち」群馬県立館林美術館、2020年「それぞれのながめ」徳島県立近代美術館。
1974年京都府生まれ、東京都在住。2001年筑波大学芸術研究科修士課程修了。主な展覧会 2010年「触覚と視覚の交差点」3331 Arts Chiyoda、2009・2010年「VOCA 現代絵画の展望」上野の森美術館/東京、2013年「ワンダフルワールド」東京都現代美術館/東京、2017年個展「楽園/境界〜いつかいた場所〜」国際芸術センター青森/青森、など。「楽園」と「境界」をテーマに、即興の線描、鏡、シェイプドキャンバスなどの絵画を制作する。鑑賞者のを絵の中に取り込み、2次元と3次元、想像と現実、過去と未来、などを交差させる空間を作る。
1954年京都生まれ、在住。10歳頃に失明。大谷大学文学部哲学科を卒業後、鍼灸院開業。鍼灸を生業としながら、1992年より粘土造形を、1995年より製図用ラインテープとカッティングシートを用いた「さわる絵画」の制作を始める。1998年、「'98 アートパラリンピック長野」大賞・銀賞を受賞。他作家とコラボレーションした「触覚連画」の制作や、2012年より「触覚コラージュ」といった新たな表現手法を探究している。2020年、ギャラリー兼自身の制作アトリエとなる「アトリエみつしま」を立ち上げる。バリアへの新しいアプローチを実践する拠点となることを目指して、活動の幅を広げている。